PFCバランスの決め方
この計算ツールは、3つの栄養素を決まった順番で設定します。それぞれ役割が違うからです。
1. まずタンパク質を体重から
タンパク質の必要量は体の大きさに比例するため、体重1kg(または1ポンド)あたりのグラム数で設定します。スポーツ栄養学の研究では、運動する人には体重1kgあたり約1.4〜2.0g(1ポンドあたり0.64〜0.91g)が支持されていて、脂肪を減らしている間は、筋肉を保つために高めにするのがよいとされています。
2. 脂質はカロリーに占める割合で
脂質はカロリーの25〜30%に設定します。これは米国科学アカデミーが成人向けに定めた20〜35%の範囲(許容主要栄養素分布範囲、AMDR)に収まり、炭水化物の余地も残せます。
3. 残りを炭水化物に
炭水化物には、残りのカロリーがすべて割り当てられます。タンパク質と炭水化物は1gあたり約4kcal、脂質は約9kcalなので、カロリーからグラム数が決まります。同じ米国科学アカデミーの基準では、成人の炭水化物はカロリーの45〜65%、タンパク質は10〜35%とされています。
目標別の設定
| 目標 | カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
|---|---|---|---|---|
| 脂肪を減らす | メンテナンスより約550kcal少なく(ポンド入力では500kcal) | 体重1kgあたり1.8g(1ポンドあたり0.8g) | カロリーの30% | 残り |
| 維持 | メンテナンス前後 | 体重1kgあたり1.4g(1ポンドあたり0.65g) | カロリーの30% | 残り |
| 筋肉をつける | メンテナンスより約250kcal多く | 体重1kgあたり1.8g(1ポンドあたり0.8g) | カロリーの25% | 残り |
減量中は全体の食事量が減るので、タンパク質を多めにします。筋肉をつける場合は脂質を少し抑え、増やしたカロリーの多くを、トレーニングのエネルギー源になる炭水化物に回します。
減らしたい体重が多い場合、今の体重をもとにした体重1kgあたりのタンパク質の目標は、かなり高くなることがあります。その場合は、体重の欄に目標体重を入力してください。
計算例:筋肉をつける場合(kg)
28歳の男性。身長180cm、体重85kg、活動量は軽めで、メンテナンスカロリーは2,530kcalです。筋肉をつけるための目標は約2,780kcalになります。
- タンパク質: 85kg × 1.8 = 153g(612kcal、22%)
- 脂質: 2,780 × 25% ÷ 9 = 77g(693kcal、25%)
- 炭水化物:(2,780 − 612 − 693)÷ 4 = 369g(53%)
維持を選んだ場合は、2,530kcalで、タンパク質119g、脂質84g、炭水化物325gになります。
計算例:脂肪を減らす場合(ポンド入力)
35歳の女性。身長165.1cm(5フィート5インチ)、体重77.1kg(170ポンド)、活動量は中程度で、メンテナンスカロリーは約2,270kcalです。ポンドで入力した場合、減量の目標は約1,770kcalになります。
- タンパク質: 77.1kg × 1.8 = 139g(556kcal、カロリーの31%)
- 脂質: 1,770 × 30% ÷ 9 = 59g(531kcal、30%)
- 炭水化物:(1,770 − 556 − 531)÷ 4 = 171g(39%)
3食に分けると、1食あたりタンパク質約46g、炭水化物約57g、脂質約20gです。炭水化物はカロリーの45%を下回りますが、高タンパクの減量プランではふつうのことです。
女性のPFCバランス
ルールは性別で変わりません。女性は目標カロリーが低めになることが多いので、炭水化物と脂質のグラム数は少なくなりますが、タンパク質は体重に応じて決まります。上の減量の例は、活動量が中程度の女性の典型的な結果です。
毎日の目標に近づけるコツ
ほとんどの日に、それぞれの目標の±10%程度に収まれば十分です。いちばん気をつけたいのはタンパク質で、最も不足しやすい栄養素です。食物繊維も大切で、米国の食事ガイドラインでは1,000kcalあたり約14gを目標にしています。
CaloriePixでは、記録した食事ごとにタンパク質・炭水化物・脂質に加え、食物繊維・糖類・ナトリウムも表示されます。目標体重とペースから1日のカロリーとPFCの目標が設定され、サブスクリプションでは、設定 › 1日の目標から自分で目標を決めることもできます。
よくある質問
痩せるにはPFCバランスをどうすればいいですか?
一般的な出発点は、タンパク質を体重1kgあたり約1.6〜2.2g(1ポンドあたり0.7〜1.0g)、脂質をカロリーの25〜30%、残りを炭水化物とし、全体を適度なカロリー不足の範囲に収めることです。体重を減らすのはカロリー不足で、十分なタンパク質と筋トレは、減量中に筋肉を保つのに役立ちます。
女性向けの無料のPFC計算ツールはありますか?
はい、このツールです。「女性」を選んで情報を入力してください。カロリーの計算にはMifflin-St Jeorの式の女性用を使い、そのあと同じタンパク質・脂質・炭水化物のルールを当てはめます。
ケトジェニックや低糖質ダイエットにも使えますか?
「自分で割合を決める」を選んで、割合を入力してください。ケトジェニックダイエットでは一般に、炭水化物をかなり低く、脂質を高くします。糖尿病の方や血糖値を下げる薬を飲んでいる方は、炭水化物を大きく減らす前に医師に相談してください。
タンパク質は今の体重と目標体重のどちらで計算しますか?
健康的な体重に近いなら、今の体重を使います。減らしたい体重が多いなら、目標体重を使うと、タンパク質の目標が現実的な量になります。
PFC計算ツールの精度は?
カロリーの推定値をシンプルなルールでグラム数に変換するので、精度はもとになるカロリーの数値しだいです。出発点として使い、体重の推移や体調、トレーニングに合わせて調整してください。
カロリーさえ守ればPFCは関係ありませんか?
体重が増えるか減るかを決めるのはカロリーです。PFCは、その体重の中身に影響します。十分なタンパク質と適度な筋トレは、脂肪を減らしながら筋肉を保つのに役立ちます。
参考文献
- Institute of Medicine (National Academies). Dietary Reference Intakes for Energy, Carbohydrate, Fiber, Fat, Fatty Acids, Cholesterol, Protein, and Amino Acids. 2005. doi:10.17226/10490。許容主要栄養素分布範囲(AMDR)の一覧表:National Academies(PDF)
- Jäger R, Kerksick CM, Campbell BI, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2017;14:20. doi:10.1186/s12970-017-0177-8
- Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. British Journal of Sports Medicine. 2018;52(6):376–384. doi:10.1136/bjsports-2017-097608
- 米国農務省・米国保健福祉省:Dietary Guidelines for Americans, 2020–2025、Appendix 1: Daily Nutritional Goals(食物繊維:1,000kcalあたり14g)
- Mifflin MD, St Jeor ST, Hill LA, et al. A new predictive equation for resting energy expenditure in healthy individuals. American Journal of Clinical Nutrition. 1990;51(2):241–247. doi:10.1093/ajcn/51.2.241
